公開日:2021.12.09更新日:2023.02.13

容器洗浄におけるノズルの選定方法

目次

洗浄ノズル選定方法

洗瓶乾燥機やリンサーに組み込まれているノズルは、洗浄対象物の洗浄度を左右する重要な箇所です。永田製作所ではお客様の洗浄度の要求に応えられるように、長年培ってきた設計ノウハウや洗浄実験を基にして最適なノズルを選定しています。

洗浄度がどこまで必要か?

まずはお客様の洗浄度要求をヒアリングして、どの位の性質や大きさの汚れを落とせばよいのか判断します。

高純度化学薬品の容器

高純度化学薬品の場合は微生物粒子や微細物粒子などを極限まで抑制する必要があるので洗浄度要求は一般的に高いです。例えばフォトレジスト薬液に使用されるガロン瓶などは不純物が限りなく混ざってはいけないので、目に見ない瓶表面の凹凸にあるような微細な粒子まで取り除く必要があります。

工業用化学薬品の容器

工業用の化学薬品、塗料やアルコールなどの容器は高純度化学薬品の容器ほど高い洗浄度は要求されていません。しかしこれらの容器は表面材が塗布されていることが多く、これらを洗い流す必要があります。つまり割と強い力で容器の汚れを物理的に叩き落とす必要があるのです。

洗浄ノズルの材質

使用する洗浄水、洗浄剤の液体の特性によってノズルの材質を考慮しなければなりません。例えばステンレス鋼(SUS)は熱に強く丈夫そうに感じますが、意外にも酸性の薬品や純水に弱いのです。

耐薬品性

強い酸性の洗剤水は、金属ノズルを腐食させる性質をもっているので基本的には樹脂ノズルを使用します。

またステンレス鋼(SUS316L等)は、超純水・純水用の配管材やノズルの材質としても使用できる金属ですが、それでも微小な金属イオンが析出するリスクもあります。

金属イオンの析出は接液部の表面状態に大きく左右され、接液部には電解研磨等の表面処理が施されている場合が多いです。

高い洗浄度が求められる場合、超純水・純水用のステンレス配管には高性能フィルターを設置し、フィルター~ノズル間の接液部は金属イオン析出リスクのない樹脂配管にしている事例もあります。

耐熱性

洗浄液が摩耗によって高温を発しないかぎり、もしくは洗浄液自体が高温でないがきり樹脂ノズルでも問題ありません。ステンレスは400℃ほどの耐熱性がありますが、それほど液体温度が高い洗浄液は一般的に使用しません。

耐摩耗性

一般的にステンレスが耐摩耗性に優れており、樹脂はステンレスほどは耐摩耗性はありません。ただし樹脂ノズルの中でも最近は耐摩耗に優れた製品もあります。

ノズルの仕様

どのくらいの洗浄度が必要かによって、物理的な条件も設定します。ノズルから出る洗浄水の物理的な力も洗浄条件として非常に重要になってきます。洗浄水の化学的な力も必要ですが、汚れは物理的な打力も併用することでより汚れがより落ちやすくなるのです。

打力

ノズルから噴射された洗浄液が洗浄対象物に当たったときの強さのことを指します。この衝突した時の強さはノズルの形状でも変わります。例えば噴霧域が狭ければ打力が強くなりますし、広ければ弱くなります。またノズルから対象物の距離が近ければ、打力が強くなりますし、遠ければ弱くなります。

流量

流量はノズルから噴射される時間当たりの液体の量になります。用途、目的などから決定します。基本的に流量はオリフィス径(断面積)と圧力により求められますので、同一流量でも低圧力を選択すれば、より大きいオリフィス径を選択することが可能です。

スプレーパターン

スプレー角度は噴射された液体が広がった角度のことで、スプレー幅は噴射された液体がノズル先端から到達した距離での広がり幅を示します。ほとんどのノズルは下方に噴射した場合、ノズル先端からの噴射距離が遠くなるほどスプレーの広がりの先細り現象があり、噴射直後のスプレー角度より狭くなります。

まとめ

洗浄ノズルの選定に際しては、要求される洗浄度や洗浄水の特性といった様々な条件を総合的に考慮した上で選定する必要があります。

実際に選定したノズルで洗浄実験を行い、その結果を基にして採用を判断する場合もあります。

永田製作所では、長年の経験や洗浄実験を基にして、適切なノズルをお客様に早く提案いたします。

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